ブログ一周年記念

1987年7月6日。世の中中曽根政権の民営化政策で戸惑う中、大分県に4500gの我儘ボディな赤ちゃんが生まれました。赤ちゃんはあまりに大きかったので、産婦人科に訪れた人は皆、その赤ちゃんが入っている保育器越を凝視し、誰しもが指を指して「デカ過ぎワロタwwww」と爆笑して産婦人科を後にしていきました。そんな一人見世物小屋の愉快な赤ちゃんはその後フカシ芋等の炭水化物をイタヅラに摂取し、本日無事24才を迎える事となったそうな。

っという訳で本日誕生日を迎えたくまそです、コンニチワ!

いやはや、24ともなると誕生日なんて全然嬉しくないモノですね。しかしそれでも祝って欲しいなどと言う俗っぽい考えから、twitterで「24才になりました!」っと呟いたところ、何人かの方々にオメデトウと言われ大満足でございます。リプライをくれた方、きっと今後素晴らしい人生が待っている事かと思われます。「くまその誕生日だって?玄関に塩をまいとけ!」っと叫んだ方々、今後絶対に複雑な病気にかかるので、保険証はお手元にお願い致します。


さて、私が生まれて24周年の日が今日でもあるのですが、このはてなダイアリーでの「くまそのブログ」も本日で1周年を迎えます。

一周年を迎えるにあたり、アクセス数は少ないですが、現実で「いつも見てるよ!」と言ってくれる方々も何人かいますし、ネットだけのやり取りですがトムス藤井さんを始め何人かの人からコメントを貰うなど、このブログは幸せ者だなあと変に感心してしまいます。


私がブログを始めた理由は二つの聞きなれない文化に接したからにほかなりません。

私が文章と言うものに興味を持ち始めたのは中学校の頃でした。親の本棚から持ち出した椎名誠さんの「わしらは怪しい探検隊」。私はこの本を古本屋でその後何冊買ったか分かりません。それほどに、この本は私にとって衝撃的でした。

それまで私は本というもの、文章というものは真面目なものであり、頭のイイ人が書いたり読んだりして楽しむものだと理解していました。しかし椎名さんの本はその理解から大きくズレたもので、文字の羅列のみでよくここまで人を笑わせる事が出来るものかと感心したものです。っというか「人を笑わせる事が出来る本」というものがこの世にある事が、私にとっては驚きでした。椎名さんの本は、ご本人こそ否定しておられますし、聞きなれない言葉だと思いますが「昭和軽薄体」というジャンルに分類されます。それまでの文学チックでどこか硬い文調をブチ壊す、軽薄な文体を指す若干蔑視のこもった呼称で、嵐山光三郎さんなどが代表的な作者として挙げられます。

中学時代、「わしらは怪しい探検隊」に出会った後に、私は椎名誠さんの文章に夢中になりました。古本屋で何冊も椎名さんの本を買ってその日の内に家で全部読んでしまっては、興奮さめやまず次の日また古本屋に行くなんて事も度々。現在は新刊が出ても買ったり買わなかったりですが、当時は椎名誠さんの新刊が出る度にワクワクして本屋に走ったものです。初めて自身の足で講演会なるものに参加したのも、中学三年生の夏休み、大分県に椎名さんがやってきた「旅のネルダス」というタイトルの講演会でした。後にも先にもこの講演会以外、自身の意思で行った事はありません。暑い夏、両親にせがんで大分県の中心部まで送って貰い、本を買って握手をして頂いた経験は、今でも忘れられない経験です。

高校に入り、私の家にインターネットなるものが引かれてきました。当時はダイアルアップ接続と言って、電話線を引っこ抜き、画像を1枚見るのに2分くらいかかるという凄まじいシロモノで、現在のように気軽に動画が見れたりといった環境ではありません。

私はこのインターネットでテキストサイトというジャンルのサイトに夢中になります。テキストサイトとは、読み込みに時間のかかる画像等を極力使わずに、文字だけがやたらめったら書き殴られているサイトです。フォント弄りなんて言葉も、このテキストサイトの文化から生まれた言葉です。現在のブログの走りといった感じでしょうか?「おめこ☆」「Numeri」「侍魂」「僕の見た秩序」「ロジックパラダイス」。画面上の文字だけでどこまで何かを表現できるかを追求していたこれらのサイトは、妙に男らしく、気骨溢れるモノで、深夜遅くまで私はこれらのサイトを巡回しては笑いを押し殺すといった、気持ちの悪い高校生活を過ごしていました。

椎名誠さん、そして様々なテキストサイト管理人さん。私は彼らに出会わなければきっとブログなんて恥ずかしいものはやってなかったでしょうし、イイか悪いかは別として、体育会系のお兄さんになっていた気がします。それほどまでに彼らの書く文章は中毒性の高いもので、人格形成に大きく影響を及ぼすものでした。

文字だけで人、ひいては私を魅了してきた彼らたち。私は彼らに少しでも近づきたい、彼らが作ってきた昭和軽薄体・テキストサイトの文化を、おこがましいながら少しでも受け継ぎたい、その思いでブログを書いています。

しかし文章に限らずですが、何かを表現する事は、誰かしらに受け取ってもらえなければ完成しえません。そしてこれは大変難しい事であると同時に、書いてる本人からするともの凄くありがたい事です。文字を読むという労力を自らに割いて頂ける。文章を書く事が好きな人間にとって、これほどありがたく、申し訳ない事はありません。

私が大学を卒業し、社会人になればきっとこのブログを見てくれる人は少なくなるでしょう。でも、どんなに少なくなろうとも、私は形は変えこそすれ、文章を書く事は辞めたくないと考えています。


どうか今後ともこのうんこブログをよろしくお願い致します。


くまそ拝