寛政の改革

「私、くまそは平成18年度、夏季代ゼミ全国記述模試・日本史で全国1位を取った事がある!」

馬鹿だ、アホだ、くまそを見かけたら石でも投げてやろうと思っていた読者の方々、驚きのあまり口が開いていますよ。上のカギカッコの中の文、ちゃんと読みとれましたか?念のためもう一度書きましょう。

「私、くまそは平成18年度、夏季代ゼミ全国記述模試・日本史で 全 国 1 位 を取った事がある!」

どうです皆さん。普段は「四の五の言わずにメンチカツをうどんに乗っけなさい」などと訳の分からぬ事を叫んでいる私ですが、実は相当な知性の持ち主だと言う事が分かって頂けたのではないでしょうか。そしてこのブログがインテリジェンスに溢れたブログであり、屁とか耳かきをしながら読んではいけないもの、恥ずかしいものである事を肝に銘じて下さい。何せ「夏季代ゼミ全国記述模試・日本史で全国1位」の人が書いているブログですからね。更新されたと分かったらすぐさま風呂に入って身を清め、正座をし、女性ならば「欲しい欲しい、くまそさんの遺伝子」と10回絶叫しながらURLをクリックするよーに。

さて、そんな知的なくまそさんは近頃狂ったように部屋の掃除をしているんですよ。

それまでの私の部屋と言ったらそれはもうおぞましく、ビールの空き缶がそこらじゅうに転がっていて、煙草のヤニも凄いし、何故か七輪が2つもあるし、埃も凄過ぎて炊飯器なんか「お前、ホントにこれでメシ作ってんのか!大丈夫か!死ぬぞ!」っとガチで友人に心配された程でした。

しかし流石にこのままではマズイ。来年から社会人になる身ですし、こんな汚い部屋で、こんな乱れた生活習慣を送っていては酷い社会人生活になってしまう!と考えとりあえず部屋の掃除を開始したんですよ。

そしたら出るわ出るわのゴミの山。大量のエロ本が出てきたと思ったら、昔とある女の人に「これ守ったら付き合ってあげる」と言われ書かされた「私くまそは本日より煙草を辞め、TOEICを受験し、大学を四年で卒業します!」などの、何一つ守られていない誓約書が出てきたり、「携帯料金未納期間が凄い事になってる。法的手段に出るぞ!」とかの、身に覚えはあるけど出来るだけ身に覚えのない事にしたかった請求書が出てきたりで、もしかしたら胎児とか普通に出てくるんじゃないだろうか?ってくらいサスペンスフルなお部屋掃除でした。

しかしまあガンガンゴミ袋に突っ込んでブルブリ捨てていくと当然っちゃあ当然ですけど綺麗さっぱり部屋が片付いた訳なんですね。

しかしですね、部屋が綺麗になる事を望まない生物が私の家には巣くっているんですよ。

そうです、愉快な街の嫌われ者、ゴキブリさんです。

私の大学生活の大半はこのゴキブリさんとの愛の物語でもありました。女性に振られた時、健康診断で高血圧と診断された時、尿検査が怖くて3リットルの水を飲み干し尿を薄めようとした時、ゴキブリさんは暖かく私を見守っていてくれました。

春夏秋冬を通し、私は彼らとの親交を密にしてきました。私の部屋の真下は小さな飲食店。春はその店で生まれた小さな子ゴキブリの誕生を素直に喜び、夏は元気に育った彼らとチークダンスを踊って一夏の恋を満喫し、秋は下界に旅立つ彼らにハナムケの言葉を送り、冬は動きの鈍くなった彼らの手をそっと取り、生ごみ置き場にエスコート。私はこの部屋を大都会で図太く生きる彼らのオアシスにしたいと本気で願っていました。

しかし現在の私の部屋にはゴミはおろかモノがほとんどない状況です。しかも最近は軽い潔癖症なんじゃなかろうか?ってくらいそこら辺に洗剤をブチまいては、「これでもか!これでもか!」っと狂ったようにその場所を研磨し、荒い息をついているのです。

こんな環境でゴキブリ達が生活出来るはずはありません。しかもあろうことか、私も段々と彼らが疎ましくなってきたのです。

ですから私はゴキブリを見つけては殺虫剤を振りかけ、現在ではバルサンを焚き、この部屋をゴキブリのオアシスからアウシュビッツにしてやろうかと画策しています。

ゴキブリ達は必死で抵抗をしてきました。中には私の寝込みを襲い、Tシャツの中に直接直訴をかまして来る行動派も現れた程です。


寛政の改革

田沼意次の泥臭い金権政治を改革しようと、質素・倹約を推奨した松平定信の改革。

そう、今まさに私の部屋では寛政の改革が行われ、それまで甘い汁を吸っていた黒い商人(ゴキたん)は一掃されてしまったのです。

部屋を綺麗にしてからというもの、私の心にも変化が生まれました。年金未納をイカン!っと感じ役所に行って手続きを取ったり、バイトと英語の勉強に精を出し、ダイエットも初め、3週間で6キロも体重を落としました。これら全てが、部屋を綺麗にするようになってからです。

恐らく私は真人間に近づいてきているのだと思います。しかしどうにも、ゴキブリと同じく生き辛くなっているのも事実なのです。勉強もバイトもメンドクサイし、カロリーを抑えこのクソ暑いのに腹筋をするもの非常にメンドクサイ。でもこの綺麗な部屋に帰ると、だらしのない生活が出来ないのです。部屋と同じく私も心身ともに綺麗に、そしてスマートで知的になってしまうのです。


「白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき」

ほら、こん和歌までもがすらすらと出るほど私は知的になってしまいました。部屋を掃除するまでは考えられなかった事態です。末は博士か大臣かもしれません。流石は「夏季代ゼミ全国記述模試・日本史で全国1位」だ。こんな知的な自分が怖い。どこまで賢くなってしまうんだ、体も細マッチョ一直線だし、来年は婚約候補が5人くらいいるかもしれない。1人しか愛せないこの日本の悪習が憎い。

上の和歌は教科書で一度は読んだ事もあるでしょうが、これは寛政の改革が厳しすぎ、町人が「田沼の汚れた政治の方が過ごしやすいわい」という思いを詠んだ歌です。そして正にこれと同じ事が、我が家でも起こっているのです。

私は今、この綺麗な部屋と言う改革に、自分の事ながら生き辛いと感じてしまっているのです。そう、知的でスマートな体で、苦悩しているのです…


まあ結局言いたい事は、ゴキブリにとっては住みづらい部屋になったけど、女の子にとっては凄く快適な部屋だよ!可愛い女の子は、知的で細マッチョな僕の部屋まで遊びに来るとイイよ(全裸推奨)って事ですね。


※夏季代ゼミ平成18年度全国記述模試・日本史の試験範囲は「鎌倉時代」まででした。また、細マッチョと言いつつも現在体重は89キロもあります、普通にデブです。