管(クダ)で人は救われる

昨日は都知事選でしたね。

国民年金を払っていない元気な非国民、くまそさんもこの時ばかりは国政に参加です。視覚と嗅覚を激しく刺激するジャージをつっかけ、ホームレス御用達煙草「エコー(240円)」を買い求めるついでに近くの小学校まで投票に行ってきました。

それにしても日曜日のお昼ってのはいいですね。春の陽気も手伝って、ここ大都会新宿区にも優しい空気が広がっています。しかも投票所は何だか地域住民憩いの場になっており、異様にファミリーが多い。

そんな中を男臭溢れるファッションで、死んだオタマジャクシのような目つきをしながら闊歩する身の丈184センチの殿方。そうです、人生廃棄物のくまそさんです。普段こんな恰好で小学校に入ろうものなら、即効でパトカーうーうー、両親げーげーですが、今日は何の問題もなく小学校に行けます。

しかし投票に行く若者ってのは数が減ってるそうで、こんなヘドロみたいな私が投票所に行くだけで周りはそこそこ私に好意的になってくれるものです。きっと周りのファミリーも「まあ!感心なヘドロもいたものね!」っと感動していたはずです。その後コンビニに「エコー下さい」って言ったら「今ないんすよ」っとヘドロのような声で言われましたから、感心なヘドロは3分天下でしたけどねえ。

まあでも選挙に行かないって理由もよく分かるんですよ。だって選挙行くのってメンドクサイじゃないですか。なんかアンケートとかだと、選挙に行かない理由は「いい候補者がいない」だとか「政治に不信感がある」とかが上位に入っているそうですけど、あんなの絶対嘘ですよ。だって凄くメンドクサイですもん、選挙って。

本来は大きく違うはずですが、選挙って何だか国から「行け!投票用紙をカゴにブチ込め!」って言われているみたいな気がしませんか?厚生労働省が「人間は一日ビタミンAを300mg取らなきゃいけないから、ニンジンを日に7本食え!(全て嘘です)」って言ってるのに従わないのと同じで、何だかお国からの指令に従うのって凄くメンドクサイんですもん。

不快感を示す方もいるかもしれませんが20を超えてからの私がほとんどの選挙に行ってるのは、その後の選挙速報が面白いからです。今回も特段誰に入れたい!ってより、こいつに入れたらマズイだろ!って理由で入れてきましたしたしね。

しかしまあ選挙ってのもよくよく考えると深い歴史があるもんで、御承知でしょうが戦後までは男子普通選挙ではありましたが、完全な普通選挙ではありません。戦後になって初めて完全な普通選挙になりましたからねえ。

なので本来はこの選挙権をありがたく行使し、選挙の度にどうして自分が選挙に行けるのかっていう「?」マークを振り返らなくてはならないはずなのです。



人間というのは頭の中からドンドン「?」マークの消えていく生き物です。

例えば高校時代。私は何を狂ったか「詩」をしたためたノートを作っては「なんで俺こんなに天才なのに皆気付かないの?」っとかの言葉を夜な夜な鉢植えのアロエなんかに語りかけていたんですね。しかしある時その詩を、これまた何を思ったか友人にメールで一斉送信し、そのスパムメールが大非難を浴びてからはこの疑問符は前頭葉の奥深くに消えてしまいました。

まあ上の例はもはや衛生上の問題も含め適当ではない例ですが、人は大人になるにしたがって頭の疑問符はなくなっていくモノです。

だからかもしれませんが、あまりモノを考えずに色々な行為をしている事が多い。ipadをペコペコ押しながら歩いている人がいるでしょう?しかしそのほとんどはipadってどうして地図を見る事が出来るのか、どうしてアレで世界の本がドンドン買えてしまうのか、ドンドコ情報が入ってくるのか、それを説明する事も出来なければ疑問に思う事もないでしょう。

例えば唐突ですが、私がいきなり「悪いんだけど俺の肛門も地デジ化してくれない?」っと言ったとしましょう。しかしこの疑問符にほとんどの人は答える事は出来ない。まあ「肛門は地デジ化できないんだよ」っていう事は言えるかもしれませんが、どうして肛門が地デジ化出来ないのか説明する事は出来ないでしょう。「だって肛門に地デジチューナーは入らないからね」では理由にならない。私だってその気になれば頑張る覚悟は出来ている。世界に肛門を繋げたいという強い意志だってある。内視鏡入れるくらいなら地デジチューナー入れるわ!バカめ!っという夢と希望だってある。

恐らくそんな無意味な努力や意識は捨ててしまった方が私の人生にとっていいとは思うので肛門地デジ化は諦めますが、とにかくいざ「なんで?」っていう「?」マークをそこらのモノにぶつけてしまうと、たちまち人は迷子の子猫ちゃんになってしまう訳です。

しかしこの「?」マークも突き詰めてしまうとよくない。「人間とは何か」などの疑問符を据わった目で考え「人間は考える葦であるとパスカル先生は仰っていますが、私は人間とは喋るボンレスハムだと思うのです」などと言いながら、ボンレスハムをひっぱたき、あまつさえ口から泡なんかをまきちらし人生に突っ込んで行っても彼には暗い未来しかないでしょう。

そこでですね、今回は電化製品に限り私が男らしい「?」の解決策を提案してあげましょう。

電化製品の中にも素直なヤツは結構います。例えば炊飯器。あれほど率直で朴訥な電化製品もそうない。米入れる!電気入れる!米茹でる!米美味しい!っと誠に分かりやすい。

また固定電話なんかもかなりいい奴です。私が「うるせえ!留年したもんはしょうがないし、内定がないのもしょうがないだろ!」っと母親に愛の鞭を振りかざしたその声は、あの電話線を突き進み、大分の母の耳元に届く訳です。そして涙線を激しく刺激する訳です。

しかしながら、携帯電話ってのは全く分からない。どうして私の声が遠くに届くのか、珠には間違って私の声が南アフリカに行っても不思議じゃないんじゃないか、っと私は思う訳です。これはipadなどでも一緒です。

とにかくですね、全てのモノに「管」つけときゃいいんですよ。「管」つけてりゃ全てがスッキリ理解できる。

人間だって最初は「管」に繋がれていた訳ですからね。今でこそみんなワイヤレスで笑いながら生きていますが、ずっと昔はへその緒に繋がれていたんですよ。

そう、原点に戻る事こそが、疑問符解決の近道なのです。


っとこんな風に「管をつけろとクダまけ」っと言ってる訳ですね。



いやあくまそさん面白い!山田君、内定あげなさい!