この怒り、どこにぶつければ
ほら、僕って凄く愉快な人じゃないですか。もう愉快過ぎてピンク色のアヒルに囲まれて、ピンク色のウドンとか爆笑しながら食ってそうなくらい愉快で楽しくて、それでいてひたすらに淫靡だったりするじゃないですか。幼女とか普通に誘拐してそうじゃないですか。
ですけどね、最近はテレビをつければ暗いニュースばかり。メールフォームを開けば「ワロスwwwお前なんかうちの企業にいらねえよ」とかいう野蛮なメールがドンドコブチ込まれたりしていて、流石に気が滅入ってる訳ですよ。
だからもう全然愉快な事が考えられない。「ネギをケツに刺せば風邪の予防になるらしい。下仁田ネギクラスならインフルエンザも防げるらしい」なんていう愉快な事は口が裂けても言えない。言えるはずがない。就職の面接で知り合った女の子に「あなた、どことなくカタクチイワシを連想させるお口をしてらっしゃいますね」なんて事は別に今じゃなくても言っていいはずがない。
そんなこんなで何も書く気が起こらず全くブログを更新せずに、愛と感動と平和を謳いながらアルコールと炭水化物を激しく摂取していた訳なんですけど、このブログを拝見されている愉快な異常者の皆さまにとっては大変申し訳ないなとは思っているんですよ。
だってブログを開けば「ベロベロばあ」とか言ってる正体不明のマスコットがデカデカと出てきて、3月9日の記事で止まっている訳じゃないですか。そんなのを毎回開いてたら流石に怒るのも無理はない。「お前のオツムのリハビリ手伝うつもりで見に来てやってるのにフザケンナ!」っと怒り狂うのも自然な成り行きです。
しかしまあ私に会った事のある人はまだいい。私を呼び出し、おもむろに私のプリティーヒップに万能ネギを突き刺す等をしてその怒りを鎮めればいいと思うんですよ。まあ人としての心を少しでも持っているのならそんなことはしないで頂きたいんですけど、私に会った事もなければ私を知らない人にとっては、この怒りどうしてくれようってな感じだと思うんですわ。
っでもって先日ですね、かなりベクトルは違いますが私もそんな風に「この怒り、どうしてくれよう」っていう事があったんですよ。
最近近くの家が工事してましてね、どうせオンボロだからやっても意味ないと思うのですがめったやたらと屋根をいじくってるんですわ。ですから最近は周りに土方のオッサンが蠢き、野太い声をあげながらハンマーを振り回しているんですけど、振り回し過ぎたのかテレビのアンテナを傷つけちゃったらしく、私の家にあるテレビが全く映らなくなってしまったんですよ。
これは困った。
だって私そんなにテレビ見ませんけど、最近は注目しているニュースも多く、テレビが映らないのは結構辛い。
なのでいつか文句を言ってやろうと息巻いていたんですが、とある事からどうも文句が言えない状況になってしまった。
一週間くらい前の話です。
その日私は壁をよじ登り、二階の窓から自分の部屋に転がり込もうとしていたんですよ。
ええ、この時点で「オカシイ」と思った方は聡明です。上記の一文どこがオカシイか分からない人は無人島に住んでいる方か、「ケツにネギを入れるのは常識だよ」っと言ってる奴と同じくらい非常識です。
さて、どうして私が二階の窓から家に入ろうとしていたかを説明しましょう。
私は基本的に家に鍵をかけません。ですから血圧・眼圧・血糖値の如何によってはドアが半開きになっている事もあり、いつぞやは玄関の扉を開いたら可愛らしいネコがいたなんて事もあるくらいなんですよ。出来ればドアを開けるとカワイイ女の子がいた!なんて事も、私の人生に一度や二度あってもいいと思うのですが、多分それ誘拐・監禁・歪んだ性癖なんて単語がモロ出しの背景があると思うし、この平和な住宅地がパトカーのサイレンで阿鼻叫喚の地獄絵図になると思う。
そんなことはどうでもいいんですけど、ちょっと説明を加えますと私の住んでいる場所は少し特殊な作りをしていまして、玄関が共同なので玄関を鍵で開け、廊下を歩いていって部屋の鍵を更に開けなきゃならんのですよ。っで私は両方の鍵を掛けないので、ネコに突撃!くまその晩御飯を可能にしてしまっているのです。
そんなこんなで過ごしてきた私なんですけど、最近隣に引っ越してきた野郎が結構防犯にはウルサイ男なのか、玄関の鍵を閉めてしまうんですよ。ですから鍵を掛けず、鍵を持たずに外出する事の多い私は家に入れないってことが最近は頻繁に起こっているんですね。
そんな時私はどうするかって言うと、先に書いたように家の壁をよじ登り、窓から部屋にダイブするというサバイバルな手法を採用しているのです。冷静に考えたら鍵を持てばいいだけの話なんですけど、完全無欠のチンパン脳を持つ私は毎回鍵を忘れて家を飛び出してしまうんですよ。
そしてある日就職活動を終えスーツ姿で家に帰ると、いつものように玄関の鍵が閉まっている。隣の奴に玄関を開けてもらおうと叫ぶのですが、どうも奴は寝てるのか外出しているのか分かりませんが応答がない。
やれやれと思いながら、スーツ姿で壁をよじ登る私。時刻は午後5時ごろ。人通りもそこそこにあり、傍から見ればタダのドロボウです。随分大胆なスーツをびっしり着こんだ謎のドロボウです。
そして下校中の小学生が唖然とした顔で見上げるのを無視し、華麗に小学生の情操教育を阻害しながらジリジリと壁をよじ登り窓に手を当てたその時です
「おにいちゃん!何してんの!」
いやね、この言葉を女子小学生が叫んだんなら大好物の言葉ですよ。タッパーに入れて冷凍したいくらい、くまそさんが大好物の言葉ですよ。
ですがその声は幼女の黄色い金切り声ではなく、男らしく野太い声でした。
下を見るとですね、ハンマー持ったニッカポッカのオトウサンが唖然とした顔でこちらを見上げているじゃないですか。恐らくは私の健康で文化的な最低限度のテレビのある生活を阻害したオトウサンが。
「いや、その、とりあえずここ僕の家なんで…」
説明が非常に難しい状況であり、私が発した言葉はそれだけでした。
結局オトウサンの誤解も解け、それなら協力してやるよとご丁寧にトラックの荷台に乗せてもらい、いつもより随分楽に窓から家にダイブ出来た私ですが、完全にテレビの文句をいうタイミングを逃してしまいました。しかも別の日には「この前の窓から家に入ったお兄さんだね!」っとか言われる始末。気の弱い私が文句を言えるはずがない。
そうしてしばらく経ち、オトウサンは仕事を終えいなくなり、テレビは映らぬまま。
ホント、どうすりゃいいんだろう…