美容院に行こう!

宇多田ひかる:「ぼくはくまhttp://vision.ameba.jp/watch.do?movie=144546←最近この曲ばかりを部屋に流しているので頭がオカシクなりそうです。しかしこの歌本当にシャブでもキメてんじゃねえの?ってくらい意味不明な歌詞ですねえ。どうも!ぼくはくまそ!エビフライは大好物です。前世も現世も家事手伝い。


さてさてmixiなんかでですねえ、「今日は美容院に行ったの!えりあしが肛門まであったから、今日は思い切ってツムジまでバッサリ!」なんて書いてる人がいるでしょう?

私はああいった書き込みを見ると心底腹がたつんですよ。

twitterも同じ。バカが何か呟きやがったなと思ってみてみると

「カレーなう」


あのな、何寝ボケた事書きこんでんだと。何なんだと。お前が今日カレー食おうがウンコ食おうが知らねえんだよと。いや、ウンコ食った話は少しだけ聞いてみたいような気もするけど、まあとにかく日常の一コマをひたすら人に向かって話すってのは意味が分からない。

ハッキリ言ってですね、自分の日常の一コマを他人に話した所でそれは全くもって他人からすれば「フーン」で終わりです。

文章というのは己の思想や主張をぶちまける道具です。「カレーを食った」とか「美容院に行った」とかを表現するための道具では断じてない!それはブログなどのSNSでも同じです。



って事で「美容院に行った」って内容の文章をヌチャヌチャと書いていこうと思います。


美容院わず!ちょっと使い方が違うかな・・・


さてさて私が美容院なるものに初めていったのは大学一年の10月の事。友人から紹介された女の子とデートの約束を取り付けた時だったんですねえ。

初めて女の子と二人で飲みに行くって約束でしたから私は相当に気合が入っていました。ですから服装等の外見を最高の状態に持っていき、彼女のハートに不整脈をおこしやるか、ブヒヒっとハタ迷惑なテンションでデート前日を迎えたんですね。

当時は恥ずかしながら「俺は服と髪さえ整えれば背も高いしイケメンなはず」という公安から目をつけられてもオカシクないレベルの危険思想を持っており、大学に合格して間もない事もあってかイケイケだったんですよ。

そんなこんなで服装を整えようってんで池袋のライトオンに行き、生まれて初めて自分で8000円以上のジャケットを買い、何故か献血をした後ダメ押し的に美容院に行こう!っと思いついたんですね。

それまで私は髪を切るといえばずっと近所の理髪店。そこの理髪店は老人ホームの真横にあり、老人ホームから来るフガフガ言ってる爺さんや婆さんの髪をでっぷり太ったオバサンが力任せに刈り取っているような店で、老人ホームの一施設のように扱われていました。

なんせお婆さんやお爺さんが入店すると(施設の職員に連れられて)、デブなオバサンがいらっしゃいの前に「その人トイレ一人で出来んの?」ってまず聞いているような店でしたからねえ。間違っても「いっちょババア、オダギリジョーみたいな髪の毛にしてくれや」などと頼む場所ではない。

まあ今考えると中々味があって優しい空間だった気もしますがね。


そんなところでずっと髪を切っていた私ですから当時の私が美容院と言うものに過度な期待を抱くのも無理はありません。美容院にさえ行けばどんな女も股を開くだろ、常識的に、という非常識極まりない事を考えては超大盛りペヤング等を元気に啜っていたんですよ。

ですから友達からどんなにロジカルに「だからくまそはモテないんだよ」っと言われてもどこ吹く風。「臭い」「キモイ」「空気が読めない」の恐怖の3Kスペックをもろともせずに「モテない理由?美容院行ってないからな」の一言で全てを片付けていました。ほんとビヨーインよりビョーイン行った方がいいんじゃねえの?って今になって思いますな・・・

しかしそんな美容院に憧れる私でしたが、美容院というのは私のようなミスタードーナツに足を踏み入れる事さえできないイモ兄ちゃんには非常に敷居の高い場所でして、行く前から無茶苦茶に緊張してたんですわ。

何が怖いって美容院というのは都会派の洒落者が行くところだ!って先入観が凄くあったんですよ。この認識は別に間違ってはいないと思いますけど、私みたいなのが行ったら何だか店に迷惑がかかるんじゃ・・・っという程にまで私は美容院を崇高な場所だと思いこんでいました。

しかも何だか男が美容院に行くってのもこっ恥ずかしいですしね。


けれどもまだ見ぬ女性とのデートの為、ここは頑張らねばと意を決して美容院に行く覚悟を決めます。


しかし私は根本的に気が小さいので「私が行ってもいいような美容院」をまず探す事にしました。

すなわち美容院を外からチラチラと眺め、私のようなダサいアンちゃんやオッサンが髪をシバかれてる美容院を探します。あのオッサンが行くなら俺も行っていいだろう、そんな自信が欲しかったんですねえ。嗚呼、つくづく私は日本人。

ざっと10件ぐらいを見渡し、一軒の店が見つかりました。大型チェーンの美容院らしく割と広い店内で陰気なオッサンが一人で髪を切られていました。


ようしここなら、意を決して中に入ります。中に入ると何ともいい香りがして自然と顔がイケメンになります。店内も洒落てて見てるだけでイケメンになりそうです。店員さんもイケメンです。呼び出しのベルなんかもイケメンです。なんというイケメンシャワー、流石は美容院!

ただいつまでも感動している訳にもいかないので店員との


「予約してるか」
「してない」
「切るぞ」
「早くしろよ」
「何やってんだよ」
「大学生だよ」
「さようなら」
「さようなら」


等々のやり取りがあって私の髪の毛は無事刈り取られました。ここら辺の記憶は三年前の事なのでほとんど覚えていないんですねえ。とにかく挙動不審だった気がします。


しかしね、今でもハッキリと覚えているのですが期待していた割に、全くもって仕上がりは普通でした。ってかどちらかと言えば、いやどちらかと言わなくてもかなり残念な感じになったんですよ。


なんて言うんでしょう?カットの前に雑誌を見せられるんですけど、当初の予定だとかなりスポーティーで爽やかな感じになる予定だったんですよ。しかし仕上がり具合はどう見ても土建屋のオッサン。スポーティーっちゃスポーティーですけど、こっちの方はアクエリアスを爽やかに流し込むような感じじゃなくて、巨大なヤカンに入った番茶を胃に流し込むって感じです。どう考えても爽やかじゃない。

それに美容院のイケメン店員との会話も煩わしかった。私はどうも店員さんとの会話というのが昔から苦手で、「お会計お願いします」を言うのがメンドクサイので吉野屋より松屋。「ティーポイントカード持ってますか?」っと言われるのが煩わしいのでファミマより自動販売機というスタンスを取っているくらいだったので「お兄さん最近面白い事あった?」などの高度の会話はご勘弁こうむりたい感じなんですね。


そんなわけで残念な仕上がりになった私はライトオンの安っぽいジャケットに身を包み、その女の人と確かオムレツを食べに行ったのでした。



結果としては話に詰まり、頭が錯乱したので当時読んでいた立花隆の「中核VS革マル」の話をし出すなどイタイ事極まりなかった初デートだったんですけど、なんとまあその後お付き合いする事になったんですよねえ。

まあ相手からメールや電話を一回もされることなく振られちゃいましたけどね。その女の子は宇多田ヒカルが大好きでした。first loveだと思ったら「僕はくまそ」だからまあ振られるのは当たり前です。


そんなこんなで今では1000円カットにしか行かない私ですが、ここぞ!っという時には再度オッサンが髪をシバかれてる店を探し、拙い会話で髪を切ってもらっています。


その後の効果は全くないですけどね。