客引きに名誉を

私は文系の大学生ですし英検準2級と漢字検定3級っていう中学生でも持ってる資格しか持っていませんので専門的な知識をあまり持ち合わせていないんですよ。ですから恐らく一般就職するとなると「営業」の仕事をする事になると思うんですね。

別にこれは営業職を悪く言ってるの訳ではないですのでご了承して頂きたい。

っで私のような人見知りの人間が「営業」なんてそんなにガツガツ出来るはずもないので当然の如く精神に異常をきたし、酒に逃げては新宿のゴミ箱に突き刺さったり、意味もなく三角木馬に人生の全てを注ぐ覚悟を決めたりすると思うんですよ。

それはそれで人生楽しそうなんですけど、「営業」ってのの極めて原始的な形態って「客引き」だと思うんですね。

それでもって客引きってのは圧倒的に飲食関係や性風俗店が多いじゃないですか。夜の歓楽街に行くといっぱいいますね、「お兄さん居酒屋もう一軒いかが」とか「オッパイ鷲掴み!」っとか言ってる恐ろしげなオニーサンが。

けれどもアレってどうもレパートリーに欠けると思うんですよ。いやそりゃね、それぞれ個性があるとは思いますよ。きっとアレに全部ついて行ったら、カラオケして居酒屋行ってオネーチャンにイタヅラして最後に三角木馬で大絶叫!なんて凄い体験も出来るとは思うんですよ。

でもですねえ、ジャンルに幅がないと思うんですよ。大体飲食・風俗・観光地の土産物屋ばっかりでしょう?いきなり怪しげなオニーサンに「うちのペットショップ、今カモノハシが大サービス中なんですよ。カワイイですよ、胎生だし」なんてワシントン条約ぶっちぎりの発言される事なんてまずない。

まあ別にだからと言ってペットショップに客引きをやれとは言いませんけど、飲食や風俗関係、きな臭い土産物屋にしかこうした客引きがいないせいか、客引きの人ってそんなに社会的身分が高いと思われていないと思うんです。きっと正社員の客引きってあんまいないと思いますしね。

しかしこれは良くない。私も以前大学の文化祭で「業務用スーパーで買ったイケメンな鳥を厳選して揚げています!お姉さん、どうですか!」などと嘘8000を言いながら唐揚げ屋の客引きをしていましたから何となく分かるんですが、あれって本当にキツイ仕事だと思うんですよ。

私もその時はキツかった。「お嬢ちゃん!鳥を食べるとオッパイが大きくなるって優香が言ってたよ!チャンスだよ!お嬢ちゃん!」っと凄く真摯な姿勢で少女に迫ったら、凄い目でその子の母親に睨まれましたからね。職業に貴賎なしという言葉をあのお母さんは知らないのでしょうか?全く腹がたつモノです。ああいう親が子をダメにするんでしょうね。

先ほども言ったようにあまりにジャンルが絞られているから客引きのお兄さんが日の目を浴びない訳ですから、もっと色んなジャンルの客引きが出現すべきだと思うんです。そしてキチンと一年契約、年俸出来高制で店が客引きを雇うべきだと思うのです。

そうなると面白いですよ。私も是非その客引き労働市場に参入したい。

私だったらそうですねえ「動物園」の客引きでもやりますかねえ。

何度も書いてますが私は「小平の暴走ムツゴロウ」として、哺乳類から両生類まで、西東京に生息する動物を片っ端から舐めまわしていた程の男ですからね。動物に対する知識と愛は結構自信があるんですよ。

大学で初めて出来た彼女と行ったのも「上野動物園」でした。そして彼女をほっぽりだして「このレッサーパンダのプロ意識は半端ではない」などかなり玄人めいた発言をブツブツ下を向きながら繰り返していたものです。

ですから私が客引きになったら道行く人に「お客さん、今日の猛禽類コーナーは一味違いますよ。イイ娘がいっぱい入ってきてますからね。昨日まで素人だった(自然にいたという事ですね)のクマタカちゃんなんてそりゃあもう凄いです。当番初日は客を5人も病院送りにしましたからね!」などとノタマッテみたいですねえ。

しっかし今思うに、こんな事してると動物園の評判自体が下がりそうな気がしますな。


要するにジャンルの問題じゃないんだなあ。何だったんだろ、今回は。

とりあえず収拾がつかないので三角木馬にでも乗って未来について考えてきます。