ウォシュレットに、花束を

私の今住んでいる家は共同便所なのですが住んでいるのが私しかいないため、酒に潰れては便器に顔を五時間ばかり突きさすというアバンチュール☆トイレ生活を絶賛放送中です。ウソです、放送はしていません。

このトイレちゃんですがよくある洋式タイプの無骨な便所でして、ウォシュレット並びにビデ・寒い日の為の便器温め機能などと言う軟弱なモノを装備しておりません。排泄を何回も行える最低限度の設備しかついていないのです。

よって私とこの便所の付き合いもかなり無骨なモノとなっており、出すものを出したら吸っていた煙草のフィルターを己のクソにとともに流し、特にハナムケの言葉を送る事もなく私は便所を後にするんですね。何だかこう書くと便所と私の関係は肉体だけを求めあう壮年ベチョベチョカップルの男女関係のように感じますねえ。

まあ人間と便所の関係などこんな感じが一般的でしょうし、真実の愛探しに五里霧中な青年ジュルジュルカップルがピロートークに2時間かけるがごとく、ひり出した後に便器に向かって二時間合掌!などという関係を便所と送っている方が一般的ではないでしょう。っというかそんな奴はいないでしょう。

余談ですが人間が便所にいる時間を人生でトータルすると男性なら約3日、女性なら約5日ほどになるそうです。多いのか少ないのか、私には判断しかねます。

さてさてその便所にですねえ、本日をもってウォシュレット機能が追加される事となったのですよ。

事の経緯を説明しましょう。これがちょっと異常なのですよ。

本日の深夜二時くらいでしょうか?その前から私はふとした事から気になってドーピングについての動画をYoutubeで見ていたんですね。そしてそのうち「摂食障害」「オーバードーズ」「薬物中毒者の実態」などのオドロオドロシイ単語に行きつく事になり、震えながらそれらに関係する動画を鑑賞しておりました。だから当然っちゃ当然ですがかなり暗い気持ちになっていたんですねえ。

そうするとドアがギーッと開く音がして人が廊下を歩いてくる音が聞こえてくるんですよ。いやね、これには本当に驚いた。こっちもかなり気分が落ち込んでいますから、本当に怖かったんですよ。

っで怯えながら部屋にこもっているとドア越しに「くまそさん、明日からトイレにウォシュレットがつきますからね」っという大家さんのマヌケ声が聞こえるではないですか。急いでドアを開けるとそこには何故か和服姿の大家さんと、私が鍵を無くした際電話で「合鍵屋に行くからスペアを貸せ」という内容を伝えるのに5分を要した恐怖のニート野郎こと大家の息子(推定32才)が暗い顔をして立っていました。いやはや、動画で見たオーバードーズの女よりこっちの光景の方がよっぽど怖かった。

そんなこんなで「全日本肛門に水を噴射するのはいかがなものかの会」の会員でもなんでもない私はこのウォシュレット導入に特段否定する理由も何もないので「はあ、私もたまにはケツに水をひっかけてみようかしら」という優しい気持ちになり、更に動画漁りに精を出したんですね。結局その後動画漁りは「中村うさぎの汚部屋探索」という訳の分からない動画に行きつきました。皆さん、中村うさぎさんは要チェックですよ。あの方ははかなり漫画な女性です。

まあそんな「我が家にウォシュレットがやってきた!」という事実を述べる為にこんなにも時間を割いたのですがウォシュレットって結構面白いものだと思うんですよ。

まずウォシュレットをトイレにつけよう!って思った人、きっとそいつは痔だと思いますが、恐らく最初「人の肛門はどれくらいの位置についているのが平均か」という問題にぶち当った事でしょう。

私は人様の肛門の位置をそれほどまでに見てきた人間ではないのですけどきっと皆さん肛門がついている位置はまちまちだと思います。

最初は会社の社員全員のサンプルを集め、そしてその後は町中に出て「すいません、あなたの肛門の位置に興味津々なモノなんですが・・・」などと言いながら野生の肛門を探し回った事でしょう。そしてその中で交番に連れて行かれる事も多々あったでしょう。

その後は三次元の座標軸で点を取りながら肛門位置の平均を探る作業を行ったと思われます。毎日出社してはモニターの肛門とにらめっこ。家に残した息子に自分の職業をなんと説明すればいいのかに悩んだ挙句ストレスから腸にポリープができてしまい、向かった先は肛門科。レントゲン写真を見ながら肛門科の医師が肛門のように口をすぼめて話すのを見て「僕の肛門はx座標2y座標6z座標3,2です!」などと叫ぶ社員もいたはずです。

そして今度は肛門の位置を確かめたら「人はどのくらい深く便器に座るか」の研究を始めたでしょうねえ。こうなるともう途方もない。

ケツに向けて水を噴射する、っというだけのものなのにきっとここまで努力がなされてきた事でしょう。確証はありませんが多分そうです。そうであって欲しいです。


そんなこんなで私はこういった努力を本日昼あたりに完成されると思しきウォシュレットに打たれながら深く深く肛門で感じたいと思います。


しっかしなんでいきなりウォシュレットなんだろうなあ?そして大家は和服だったんだろう?疑問ですなあ。