オッパイと猫

私は行った事がないのですが「おっぱいパブ」という名前からして相当頭の悪そうなブツがこの世の中にはあります。

夜の繁華街をふらついていたらよくいるでしょう?「お兄さんオッパイ安いよ!オッパイいかが?オッパイ最高だよ!」などと、アカデミズム・知性・貧しくても明るい家庭等からかけ離れた単語を連呼する恐ろしげなおにーさんが。

おっぱいパブっていうのはあれにホイホイついていくと行ける場所なんですねえ。ってか今冷静になって思うと、あの客引きのお兄さんは一体一日どのくらいの数の「オッパイ」を口からぶっ放しているんでしょうか。それを考えていると触れたいような、触れてあげない方がいいような、何とも言えない気持ちになります。

そのおっぱいパブ、通称「おっパブ」ですが、これはどんなものかと言うと大体50分くらいの間に女の子が何人か交代でやってくるんですよ。っで始めは酒飲みながら普通にお喋りしているんですけど、音楽が鳴り出すと女の子がペロンとおっぱいを放り出し膝の上に乗ってくるんですね。


ええ、私はもちろん行った事などありませんよ。

っでまあ後はペロンと出されたオッパイに己のリビドーをぶち込み明日も元気に生きていきましょう!オッパイ最高!っという現代日本に未だ息をひそめるサムライ達の休息の場となっている訳です。

まあこれは風俗ジャンルでいくとセクキャバの一種なんですよ。だからあまりに興奮しすぎて「ビックリしてチンポがおっきくなっちゃった!」なんてマギー審司ばりのイヤラシイ笑顔を顔面に貼り付けながら変な棒を引っ張り出したりちゃうと、先ほどのオッパイ客引きのお兄さん達から袋叩きにされるので、おっパブはオッパイを愛する紳士の社交場でもあるのです。

このおっパブに行ったぜ!っと笑顔で言ってしまう愉快でおマヌケな大学生というのはさほど珍しい存在ではありません。値段は確かに普通に飲むより割高ですが、女の子と飲みに行って奢ってあげたと考えればそこまででもないのではないでしょうか。会話すらしてくれない顔立ちの整った女の子に奢るより、顔はともかくおっぱいを揉める方が幾分マシなはずですしね。とにかく大学生にとっておっパブは恐らくピンサロの次くらいポピュラーな夜のお遊びだと思います。


くどいようですがもちろん私は行った事ありませんよ。


さて、そんな学生さんにも優しいおっぱいパブですが、システム上一つ大きな欠陥を抱えているのです。それは彼らが口を開いて言う事からこの問題が分かる事でしょう。


「友人が隣でオッパイにむしゃぶりついてる姿をみるのが正直辛かった・・・」



この気持ちはかなり理解できるものです。いつもは真面目で雑誌も「文学」とか「東洋経済」とかしか読まない人がいたとしましょう。そんな友人を無理やりおっパブに連れて行ったら嬉々とした顔でオッパイ舐めてる訳ですよ。言い換えてみればいつも難しそうな顔して「東洋経済」読んでたのに、弛緩した顔で「小悪魔アゲハ」とか「ポップティーン」とかを食わんばかりの勢いで舐めてる、っじゃなかった読んでるのと同じですよ。

これはかなりショックですよねえ。


さてそんなおっパブの話はちょっと置いといて、突然ですが私は動物が非常に好きなんですね。動物が好きすぎて、高校時代なんかは「小平の暴走ムツゴロウ」として西東京方面の動物を片っ端からベロベロ舐めまわしていたくらいです。

っというのは嘘で高校時代は大分県で「替え玉」に命をかけていたのですが、まあまたそれは別のお話。

とにかく「小平の暴走ムツゴロウ」とはいかないまでも小学校の卒業論文のテーマ「将来の夢」では獣医になりたいと書いていましたし、中学校までは獣医になりたいと本気で思うくらいまで動物が好きなんですね。


そんな私が最近行ってみたい場所があるんですよ。それは「猫カフェ」です。


あのね、メイドカフェやらなんやらもいいとは思いますよ。あんなプロレスまがいのカフェも大いに結構だと思います。でもね、動物って純粋じゃないですか。たまには純粋な優しさに触れたいし自分も純粋な優しさを出したいじゃないですか。ってかそんなのどうでもよくて猫って可愛いじゃないですか。


しかしですねえ、それだけだと勝手に行けって話なんですけどどうにもこうにも一つ大きな問題があるんですよ。

それは「誰と行くか」っという事なんですよ。


これは重要ですよ。

私がアメリカンショートヘアの可愛い娘ちゃんとベロベロしているの見られても大丈夫な人と行かなければならない訳ですから。間違っても普段ブラックニッカを肝臓にぶち込みながら「何故炊飯器は3合炊きのモノが主流なのか。一斗炊きなんてものビックカメラは一店に三つほど置いておくべきである」とか何とかのヨタ話をしている友人たちと行っていいものではありませんよ。

こんなことを考えていくうちに冒頭の「おっぱいパブ」の話に戻るのですが、恐らく男にとっておっぱいパブと猫カフェは同じ問題を抱えているのです。

猫をベロベロしているのも、おっぱいをベロベロしているのも間違っても他人に見せれる姿ではない。


じゃあ一人で行けば?って話になるんですが、それも問題です。

だって一人で1500円くらい払って猫と戯れて一人家に帰り酒をあおって寝るなんて人生の一コマはどう考えたって異常です。しかも行った事がないのでよく分かりませんが、恐らく猫カフェのメニューなんて「もっこもっこすヒマラヤン(ココア)」なんて名前がついているんでしょう?そんなもんを男が一人で啜れますか!こんなことを許していたら人間がダメになってしまいます。


そんなこんなで私はとにかく猫をベロベロしている姿を見られてもいい人間を見つけなければならないのです。そしてそこを足がかりにして、っというか猫カフェで私の痴態に慣らしておいておっぱいパブへ・・・


改めて考えると、私は猫カフェではなくおっぱいパブに行きたいだけなのかもしれないですねえ。チャンチャン。