エネミー

私ももう23才ですから、昔のように目を吊り上げて「あの野郎!勝手に俺の卵を茹でやがって!ぶっ殺してやる!」と叫び竹やり片手に錦糸町あたりをうろつくなどという事はなくなりました。

年齢を重ねるにつれ怒りを抑える事が出来るようになるという事は自然の流れですからねえ。いつまでも卵ごときで怒っていられませんよ。

けれどそんな日々聖人君子に近づく私にもこれだけは未だに許せない、穏やかな気持ちで寝ていてもこれを想像しただけで「この野郎!ぶっ殺してやる!」っという熊襲な状態になってしまうという人間の行動が存在するんですよ。

いや、そりゃあアレですよ?「テンション上がっちゃって、ライオンぐらいの大きさで猛毒を持った生き物をお前の家に置いてきちゃった!因みにその生き物火も吐くよ!」なんていうあまりにも常識がない行動とかにはいくらなんでもブチ切れますよ。ってかそんな奴は問答無用で火あぶりにします。

そうじゃなくて、ありがちなんだけどどうも許せないっていう行動ですね。

これはちょっと要約出来ないんで具体例をあげましょう。


私ともう一人の人間がいて、二人で小学校の棒倒しを見に行ったとしますね。まあこんな状況は異常っちゃ異常ですが、頭のオカシイ留年野郎がまたもう・・・ってな感じで大目に見てください。

すると一人の男子小学生がですね、明らかにデカ過ぎると。しかも目なんかも吊上がっちゃって人間かどうかも怪しいと。隙を見せると二足歩行すらしていないと。もうなんなんだ、人間っていうか、どちらかと言うとライオンぐらいの大きさで猛毒を持っていて火もたまに吹く生物だろう!っていう「男子小学生」が颯爽と登場してくるんですよ。何故かショパンの犬のワルツとともにね。

っで案の定棒倒しで10本の棒全部を自軍に引き入れ大勝利!赤組優勝です!以上、死者67名行方不明者82名の棒倒しでした〜っというアナウンスが流れるとしますよ。

私ともう一人の人間はそりゃあ口をアングリと開けて盛大にチビリながら、その棒倒しの名を借りたホロコーストをみて言っちゃいますよね。




「男だ…」っと。


すると私じゃない方が言うんですよ。



「かんじの漢と書いて男だね」っと。


そこで私はブチギレですよ。テンションによってはそいつを運動場に蹴り込んで死者の数を68名にしちゃうかもしれません。


上のシチュエーションはあまりにも常軌を逸しているんで適切ではなかったと反省していますが、っというか反省するくらいなら書くなって感じですがとにかく私は最後のセリフ「かんじの漢と書いて男だね」っと言われると凄く腹がたつんですよ。しかも結構いるでしょ?それ言う奴。

あれホントに意味分かんないですよね。一体何がしたいんだろう?何が表したいんだろう?身寄りがなければ早く死んだ方がいいよって思っちゃうんですよ。

恐らく「男」より「漢」の方が益荒男さがよく出ているからとか、俺は漢字の漢を「おとこ」と読めるほど教養があるんだぜ!っと逆にチンパンジーさを露呈するような事を私に伝えたいんでしょうが、そんなん私の脳みそでどんな字に変換しようが勝手じゃないですか。

あと「本気と書いてマジだね」とか言う奴も運動場に蹴り込みたくなりますねえ。


今冷静になってそんな自分の怒りを考察してみて思ったのですけど、使い古された言葉をさも自分が考えたように言うってのが多分怒りの根本にあるんだと思います。

だから飲み会なんかで安易に流行りの芸人のマネを得意げにやっている人間も罵倒したくなっちゃうんでしょうねえ。


やっぱり皆さん自分の言葉はオリジナリティがないといけませんよ!



それでは皆さん、さよなら、さよなら、さよなら。