ピノッキオ

唐突ですが私の苗字は田中って言いまして、名前は拓郎、年は23でアコムに60万ほど借金があります。因みに最終学歴は多摩埴輪専門学校高等部で、現在はナマコの養殖を栃木で営んでいます。年収は5億です。


っという真っ赤な大ウソをいきなりついた訳ですが、いきなりついでに私は「おでん」というものに畏怖の念を持っているという事をこの場を借りて申し上げたいんですよ。

「おでん」というのはかなり特殊な鍋料理でして、例えば新婚ホヤホヤで暇があったらくっついていたい、出来ればユーカリとコアラの如くひねもすくっついていたいっていう状況があるとするでしょう?


そんな時期若妻が朝出勤前に「今日は鍋よ。ビールも冷やしとくわよ。私はあなたに沸騰してるけれどね」なんていう事をラテンのリズムで言うとしましょう。

するとこっちも常時テンション上がってる状況ですから、ようし!いっちょ仕事終わらして家帰って鍋食って、夜は公序良俗に反するくらい頑張るか!ははは、憲法に触れちゃうなあ、カワイイ雌豚ちゃんに夜の人権はないぜ!って具合に盛り上がるじゃないですか。

しかし仕事終わらせて帰ってきたら「おでん」が用意されていたとしたら人はどのような行動を取るでしょうか?

少なくとも私に関して言えば即行で役所行って書類手続きし、家に帰って荷造りして一発二発嫁を殴って、出来る限り財産分与はしないで実家に帰ります。


それくらい私は「おでん」を恐れているんですよ。

まず何が怖いかというとおでんの具って明らかに異常じゃないですか。

例えばモチキン。

油揚げをいたづらにカンピョウで縛り上げ、あまつさえその中にモチを差し込むというかなり複雑な作りをしているこのモチキンちゃんは、どう考えても「おでん」の為だけに作られたブツなんですよね。

だってモチキンなんて他の料理で見た事ありますか?少なくとも私はない。

その他にもハンペンやゴボウ巻き、オドロオドロシイ色をした練り物各種。「おでん」がなければこれらに触れ合う事なんて恐らく一生なかったでしょう。

そんなものを携えて日本の食卓に何食わぬ顔で「俺も日本食だぜい!」なんて割り込んでいる「おでん」。

すげえ怖いじゃないですか。

きっとですねえ、「おでん」を擬人化?するとしたら凄く変わっている人になるんじゃないかと思います。

見た目はかつお節だしであるからして、なんか存在感ない奴だなあって感じですけど文字通り蓋を開けてみると誰にも理解できない言葉を発し続け、付き合ってる友達も一日中写経しているような奴や「リンゴの事考えてたら二日ばかり興奮して寝れませんでした。ミカン食いたい」なんていうクルクルパーな連中ばかり。極めつけは彼女がペンギン!ってな具合になると思うんですよね。

だから私は「おでん」が怖くて怖くて…コンビニの「おでん」を見る度に眠れぬ夜を過ごしています。

ってのも真っ赤な嘘で、「おでん」大好き!






けれども「おでんが先か、モチキンが先か」って問題はいつか考えなきゃならないですねえ。