特盛りハンバーグ弁当

お久しぶりです。底辺リーマンのくまそです。

底辺とはいえど正社員となり、社会的な信用をある程度勝ち得た私。残高が給料日20日前でも豪快に酒が飲める魔法のプラチック、クレジットカードの虜となるのは時間の問題でした。そしてもって月のクレジットカード請求額が22万という、マリーアントアネットもパンツ一枚で逃げ出すような豪遊っプリをエンジョイしていたんですが、勿論そんな私の手取りを大きく超える額を払える訳もなく、辛い借金生活に陥ってしまいました。しかしお財布はあいりん地区ですが、心は西海岸な私。急激に進行した虫歯からくる激痛を、ブラックニッカのがぶ飲みで何とか抑えつけ、荒い息をつき明日はどの飲み会に財布を持たずに突入すべきか思案を巡らす毎日でした。

そんな身も心も底辺な輩の日々の強い味方は、何と言ってもSEIYU。私が住む、東京のハズレを外角低めのカーブで抉ったぶっちゃけ千葉!ってな生活臭でむせ返る地域では、SEIYUが二十四時間笑って巨大なアジフライを法外に安い値段で販売しており、借金生活に一筋の光!っとばかりに、夢遊病者のような眼をしながら、ビール片手に好物のアジフライを頬張ったり出来る訳なんですよ。

SEIYUが近くにある人は分かると思いますが、SEIYUは確かに安い。しかも、病気としか思えないファッションセンスをした太ったおばさんや、宗教的な顔立ちをしたオッサン、お腹に5匹くらいサナダムシを飼ってそうな不潔な子供等々が、満面の笑みで「バスプラ!」などと叫んでおり、買い物客を馬鹿にしているのか何なのか知りませんが、とにかく安い!を店全体がモーアピールしてくるのですよ。

そんなSEIYUの英知を結集させた集大成ともいえる商品が「特盛りハンバーグ弁当\298」

この商品は、超巨大なハンバーグをズシンと弁当の上座に据え、その周りには大量のご飯が敷き詰められている大ボリューム弁当。それが何と298円。セブンイレブンで1時間バイトするともれなく3食この弁当が食えてしまうと言う神のような弁当で、ぶっちゃけ食べない奴は馬鹿っていうか、食べる奴が馬鹿っていうか、作った奴は、確実に愛すべき貧乏大食漢の酸いも甘いも知り尽くした御仁であろう事が有力視される弁当なのです。

よって、カード会社から狂ったようにかかってくる電話を一切無視し、未納に次ぐ未納でガスと水道が止められ、何故か電気とネットのみのインフラ整備が整った電脳部屋で、モリモリとこの弁当を食らっては、我が物顔で近所のファミリーマートにてモリモリとトイレをカマす(水道が止められているため)日々を続けていたのですよ。因みにこれでも税金をモリモリ払っている社会人なんですけどね。

そんなロッケンロールな日々の中、私のミスで見事に1000万円以上の損を出してしまい、ソープ狂いの部長に人間辞めようかなあと思うほどシバかれた後、私はしょんぼりとこの弁当を、電気すら止まり、でも何故かネットだけ通っているという意味不明な部屋でモリモリ食していた訳なんですね。

その時ふと思った訳です。私はこの特盛りハンバーグ弁当のような人間なのではないかと。特別な技能を持たない代わり、賃金が安くてもモリモリと残業代0で深夜まで働く。そんな環境下でも何の文句も言わない私のような人間こそ、いくらでも低コストで質より量のパフォーマンスを垂れ流せる特盛りハンバーグ弁当のような人間なのではないかと。この日本には働きたくても働けない人なんて山ほどいる。だから骨身を削っても、モリモリ量だけのサービスを提供し続けられる、いくらでも代替可能な人材と、量だけが取り柄の弁当。合成肉としなびた唐揚げ。罵声と過労を積み重ねても壊れない体と、反旗を翻せないメンタル。何だかそう考えると妙にこの弁当が愛らしく思え、せわしなく動かしていた箸が止まってしまいました。


まあ今は財政状況も落ち着き、安月給から何とか金を捻出しつつ貯金なども始めております。仕事でも少しづつ利益が出せるようになり、局所的にではあるけれど、とある凄まじくニッチな業種の中では信頼を構築出来るようにはなりました。仕事の楽しさも何となくではあるけれど分かり、とりあえずは何とかなってはいますが、夜遅くSEIYUに行ってはこの特盛りハンバーグ弁当を手に取り、驕ってはいけないぞと自らに喝を入れたりしております。


そんなこんなで少しづつではありますが、精神的、時間的な余裕が出てきたので、ブログの更新なんぞも不定期にやっていこうと思います。ただ、こんなブログを未だ見ている人がいるのか疑問ではありますが一応御断りを入れておきますが、時間的な問題がありますので、文章は短めになると思います。

ではでは!